2026.03.22
噓をつく理由
こころ

子どもや犬がいたずらをして、見つかった瞬間に
目を閉じて固まってしまう姿。

あの姿を見て、「かわいいな」と思うと同時に、
こんなことを考えました。
子どもはなぜ目を閉じて固まるのか
悪いことをしたとき、子どもの中では
ドキドキ
不安
罪悪感
混乱
が一気に起きています。
そのときに見られる「固まる」行動は、
実は人間に備わっている自然な反応で、
フリーズ(freeze)反応 と呼ばれるものです。
これは「怖さ」や「緊張」を感じたときに、
動きを止めてやり過ごそうとする反応です。
子どもが問題行動をしたとき、
強く叱る
怒る
という対応は、確かにその場では止まります。
でもそれは多くの場合、
「恐怖」で止まっている状態です。
一方で、
「ちょっと座って目を閉じよう」と声をかけるとどうなるか。
呼吸が落ち着く
心拍が下がる
頭の中が少し整理される
自分で落ち着く力(自己調整)が働き始めます
以前、小学校で講演をしたとき、
子どもたちにこんな質問をしました。
「嘘をついたことありますか?」
すると、教室のあちこちから
「はーい」と手が上がりました。
私はその中の一人の子に聞いてみました。
「どうして嘘をついたの?」
その子は少し考えてから、こう言いました。
「だって、本当のこと言っても怒られるから」
私は思わず、「なるほど」とうなずきました。
子どもは、本当は嘘をつきたいわけではありません。
できれば、本当のことを言いたいのです。
でも
本当のことを言ったら怒られる
叱られる
責められる
がっかりされる
そんな経験を重ねると、心は自然と自分を守ろうとします。
人には誰でも、危険や痛みから自分を守る力があります。
それが防衛本能です。
心が傷つきそうなとき、
怒られそうなとき、
責められそうなとき、
子どもの心はこう感じます。
「本当のことを言ったら危ない」
だから、とっさに嘘が出てしまう。
それは、ずるさではなく
心を守るための知恵なのかもしれません。
だから私は、
「嘘をついたこと」だけを叱るのではなく
「なぜ嘘をつく必要があったのか」
を考えてみたいと思うのです。
もし、子どもが勇気を出して本当のことを言ったとき、
大人がこう言えたらどうでしょう。
「本当のことを言ってくれてありがとう」
「じゃあ、これからどうしようか」
責める前に、
一緒に考えてくれる大人がいたら。
きっと子どもは思うはずです。
本当のことを言っても大丈夫なんだ
嘘をつかない子を育てるより、
本当のことを言える関係を育てる
それが、子どもの心を守ることにもつながるのだと思います。
「瞑想」と聞くと難しく感じますが、
実際には数分の“静かな時間”で十分です
短時間でも、
感情が落ち着く
衝動的な反応が減る
自分の状態に気づきやすくなる
といった変化が起きます。
ここで大事なのは、
瞑想は「無になること」ではなく
「自分に気づくこと」 だという点です。
特別なことは必要ありません。
基本のやり方(1〜3分)
一緒に座る
目を閉じる(無理なら開けてもOK)
呼吸をゆっくり感じる
声かけの例
「ちょっと一緒に静かタイムしよっか」
「ゆっくり息すってみよう」
「お腹ふくらむかな〜?」
やりやすくする工夫
「3つ数えて吸って、3つで吐こう」
「風船みたいにお腹ふくらませてみて」
「ろうそく消すみたいに、ふーって吐こう」
そしてとても大事なのは、
うまくできなくてもOKにすること
「考えごとしてもいいよ、また戻ればいいよ」
この安心感が、続ける力になります。
すぐに叱るのではなく、
まずは
「ちょっと一緒に座ろう」
「今ドキドキしてるね」
「少し呼吸してみよう」
と声をかけます。
そして落ち着いてから、
「何があった?」と聞く
この順番にすることで、
ただ叱られる → 防御する
から
自分で考える → 気づく
へと変わります。
もちろん、
危険なとき
命に関わるとき
は、すぐに止める・強く伝えることが必要です。
ただ、それ以外の場面では
落ち着く時間をつくることが、成長につながる
と感じています。
日常に「数分の静けさ」を
瞑想というと特別なものに感じますが、
実際は
一度立ち止まる習慣です。
1日3分でも5分でも、
親が少し落ち着く
子どもも落ち着き方を覚える
それだけで、日常の空気が少し変わります。
叱ることは、行動を止めることはできる。
でも、落ち着く力は、育てるものだと思います。
目を閉じて静かにしているあの姿は、
もしかすると
「自分を守ろうとしている時間」なのかもしれません。
子どもの嘘の奥には、悪い心ではなく、
「自分を守ろうとする小さな心」があるのかもしれません。
その心を責めるのではなく、
安心して本当のことを言える場所を
大人がつくってあげたいと思います。
子どもだけでなく大人も
ぜひ一日数分の瞑想をやってみませんか?
ほんの少し立ち止まるだけで、
見える景色が変わってくるかもしれません。
今日も私の小さな言葉が、誰かの小さなお守りになりますように