2026.03.13
悪い仲間とは手を切りませんー少年院の17歳が教えてくれた「排除ではなく、回復」という生き方
こころ

少年院で
講演させていただく機会があります
今から14年前
初めて少年院でお話をさせていただきました
あの時の私は、
特別な準備をしていたわけではなく、
ただ、自分が思うままに自分の人生や
感じてきたことを
精一杯お話しさせていただきました
その講演から半年後
当時書いていたブログに
一つのコメントが届きました
「ぼくは以前、ある場所で島田さんの講演を聞かせてもらった17歳です
島田さんに出会い、話を聞いて魂にガツンと衝撃を受けました
ぼくは、ここへ来てから悪い仲間とは手を切ろうと思ってました
でもやめました!
僕は、世間がいう悪い仲間を変えていく人間になります
絶対に!
ちょうどNHKに出ていた
島田さんを両親と一緒に観ました
母はすごく泣いて
ぼくに謝ってくれました
島田妙子さん、ありがとうございました。
自信がついたら島田さんに会いに行きます」
その文章を読んだとき、
私は思わず手を止めました
「でもやめました!」
たった一行のその言葉に
彼の迷いや葛藤、
そして覚悟が詰まっている気がしたからです
多くの人は
「悪い仲間とは縁を切りなさい」と言います
きっと彼も、
そう言われ続けてきたのでしょう
もちろん、
落ち着いた環境で
健やかに生きることは
とても大切なことです
でも彼は、
そこから逃げるのではなく
自分が変わることで
周りを変えていく
人間になる
そう決めたのです
そもそも、
世間が言う「悪い仲間」と、
その子にとっての「仲間」は、本当に同じものなのでしょうか
「悪い仲間」と
世間の言う「悪い仲間」は
違うのかもしれません
その瞬間、
その場所はきっと
その子にとっては
安心できる安全な居場所
だったのかもしれません
生まれた瞬間から
極悪な赤ちゃんなんて
いません
映画『アナと雪の女王』の
ラストで
こんな言葉が出てきます
「真実の愛だけが
凍りついた心をとかす」
もし、ほんとうに心が凍ってしまっている人がいるなら
ハンマーで割るのではなく、
愛で、いったんとかしてしまいましょう
そうすれば、
心はまた
あたたかさを取り戻すのです
これは
私たち大人の社会も同じだと思います
問題を起こした人を
ただ排除するのではなく
排除ではなく、回復
過ちを
ただ断罪するのではなく
断罪ではなく、再生
そんな社会であってほしいと私は願っています
私は、あの時の彼の言葉に
社会を変えていく力を感じました
その後、まだ彼には会えていません
けれど2年後
またブログにコメントが届きました
「ぼくは19歳です」さんからでした
どうやら
どこかの講演会場に
お母さまと一緒に
こっそり来てくれていたようでした
それだけで
とても嬉しかった
いま彼はきっと、どこかで
カッコいい大人になってくれていることでしょう
そう信じながら
私は今日もまた
目の前の人に言葉を届けていきます
社会は、ハンマーでは
変わりません
人は、あたたかかい愛でしか変わらないのだと思います
あの17歳の言葉は、今も私の心の中で生き続けています

今日も私の小さな経験が、誰かの小さなお守りになりますように