ブログ・皆様からのご感想

2026.03.10

大丈夫の中にいる三人

こころ

 

 

子育てをしていたころのことです

 

一日が終わるころには
体も心もくたくたで

台所のシンクには洗いきれなかったお皿
部屋のあちこちにいろんな物が散らばって

子どもを寝かしつけたあと
やっと一人になったはずなのに
なぜか涙が出そうになる夜がありました

 

ちゃんとできているのかな
いい親になれているのかな

 

何もかもがうまくいかないような気がして
ただ静かに座っているだけの夜

 

そのときでした

小さな足音がして、
寝たはずの息子が、そっと部屋から出てきたのです

 

「おかあさん」

 

眠そうな顔で
私の前に立って言いました

 

「大丈夫?」

 

そのたった五文字に
私は少しだけ驚いて少しだけ救われました

 

「どうしたん?」と聞くと
息子は言いました

「おかあさん、今日元気なかったから」

 

私は思わず笑ってこう答えました

 

「大丈夫だよ」

 

けれど本当は、そのときの私は
そんなに大丈夫じゃありませんでした

 

 

 

 

ある日、漢字を眺めていて気づいたのです

「大丈夫」という字


大きく手を広げた“人”


まっすぐ立つ“人”の姿


背筋を伸ばして前を向く“人”

 

どの字にも、確かに「人」がいる

大丈夫の中には、三人の“人”がいる

手を広げて守ろうとする人

まっすぐ立って支えようとする人

前を向きながら一緒に歩こうとする人

 

あの夜、私は一人で頑張っているつもりでした

 

でも本当は、息子の小さな「大丈夫?」に
支えられていたのかもしれません

 

もし今、誰かが「大丈夫」と言ったとしても
その言葉の奥には、
まだ言葉にならない想いが
隠れていることがあります

 

だからどうか、
大切な人に、そっと聞いてあげてください

 

「大丈夫?」

 

本当に大丈夫な人は、
少し笑いながら「何が?」と聞き返してきます

けれど
もし、どこか元気のない声で
「大丈夫」と言う人がいたら

もしかしたらその「大丈夫」は、
「大丈夫じゃない」をぎゅっと小さく丸めてしまった言葉かもしれません

どうか、その小さな違和感を見逃さないでください

気にかけてあげてください

漢字は、祈りや願いが形になったもの

 

「大丈夫」という言葉は
三人分のぬくもりを抱えて
今日も誰かを包んでいます

 

あなたの味方は、三人いる

周りの誰かと
そして
あなた自身も

 

そのことを、どうか忘れないでください

画像

 

今日も私の小さな言葉が、誰かの小さなお守りになりますように

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