2026.02.25
こころの安全装置
こころ

私は、学校や地域で
「いのちの話」を届けています。
いのちは大切。
あなたは、かけがえのない存在。
そう伝えながら、いつも感じることがあります。
いのちを傷つける刃は、
外側よりも
内側に向くことがある、ということ。
ある日の講演後。
たくさんの
「心があたたかくなりました」
「勇気をもらいました」
そんな感想をいただきました。
けれど
たった一行の厳しい言葉が、
何度も何度も頭の中で再生されたのです。
「やっぱり私なんて…」
「伝わっていないのかもしれない」
100人の肯定より、
1人の否定が刺さる。
こころは、痛みにとても敏感です。
その夜、私は自分に問いかけました。
「本当に“全部ダメ”なん?」
「この出来事に、他の意味はない?」
すると、少しずつ
見え方が変わっていきました。
厳しい言葉をくれたその人は、
本気で向き合ってくれた人かもしれない。
何も感じなければ、
言葉は生まれない。
そう思えたとき、
その出来事は
“否定”から“糧”へと変わりました。
ここで大切なのが
「リフレーミング」という考え方です。
少し難しそうな言葉ですが、
ズバリ一言でいうと
「出来事の意味づけを変えること」
出来事そのものを変えるのではなく、
“見方”を変えること。
たとえば――
コップに水が半分入っているとき。

「もう半分しかない」と見ることもできるし、
「まだ半分もある」と見ることもできる。
水の量は同じ。
変わるのは、受け取り方です。
これがリフレーミング
講演後、ある子が言いました。
「どうせ私なんて、いなくてもいいし」
胸が締めつけられました。
失敗した
→ 私はダメ
無視された
→ 嫌われた
叱られた
→ 愛されていない
でも、本当にそれだけでしょうか。
失敗した
→ 挑戦した証
無視された
→ 相手に余裕がなかったのかもしれない
叱られた
→ 大切だから伝えられたのかもしれない
出来事は同じでも、
意味が変わると、
こころの重さが変わります。
リフレーミングは、
無理にポジティブになることではありません。
つらい気持ちを
なかったことにするのでもありません。
自分を傷つける解釈ではなく、
自分を守る解釈を選び直すこと。
それは、こころの安全装置。
そして――
いのちを守る力です。
私は伝え続けます。
あなたの価値は、
失敗しても減らない。
嫌われた気がしても減らない。
うまくいかない日があっても、
存在の重みは変わらない。
そしてもう一つ。
出来事の意味は、
自分で選び直せる。
私たちは
出来事を選べない日があります。
でも
意味は選べる。
こころを守るリフレーミングは、
いのちを守るリフレーミング。
今日もどこかで
自分を責めている誰かに届きますように。
そして――
あなた自身のこころにも。
